我が家は狭小住宅で庭はなく、手狭な玄関前にトネリコの木を2鉢おいていた。22〜3年間いっしょに暮らしてきたコたちだ。
昔、庭のある大きめのお家に住み替えたことがあって、当時、そこに合う苗木を求めた。トネリコは、その時に、植木屋さんから「頑丈な種」ということで推奨されて、我が家にやってきたのだ。
その後、二十数年の間に、3回の引っ越し。そのうち2回はマンションで、マンションの部屋前に置くには似つかわしくない鉢の大きさだったけど、その都度、一緒に移動していたよ。
当時のトネリコの写真はこれしかないんだけど。2009年。↓

さて、トネリコは、北欧神話ではユグドラシルの樹(世界樹)と呼ばれている。世界の中心に生えるという神聖なものとされる。そんな謂れも、神話マニアの私には、ちょっと嬉しいところではある✨
まあ、正確には、世界樹のトネリコはセイヨウトネリコといって、もう少し葉っぱが細いものらしいけど。

植木屋さんがおっしゃったように、トネリコは暑さにも寒さにも強くて頑丈。ぐんぐん伸びて、今は、2階に届く高さになってる。
それはさておき、数ヶ月前くらいから、玄関周りがなんだかうん●臭い。夫が野良猫が粗相をしたと糞の始末をしてくれたり、サン○ールを撒いてくれたこともあったが、全く臭いが取れず、ほんわりといつもうん●臭が漂っていた。
先日のこと。
雨上がりの暑い夕方だった。夫は「それ」を発見した。
実は、トネリコの鉢の一つから、もわもわと臭気があがっていたのだ。それはそれは、えも言われぬ強烈な臭気……🙃
最初は、野良猫のせいにしていたけれど、そうではなかったのだ。鉢をひっくり返したら、もはや土の姿では無くドロドロのヘドロ。世紀末的な根腐れを起こしていた。
ただ、そんな状態であっても、何がすごいって、土から上の部分(樹木自体)は、かなり弱ってはいたけど、ドロドロの腐敗土(=断じて腐葉土ではない💧)の中で、なんとかかんとか生きてはいたこと。トネリコ、ほんまに強い。さすがユグドラシルと異名を馳せているだけのことはある。
その後、夫が数日かけて、根っこを洗ってくれてたけど、根腐れは復帰できなかった。しようがなくカットして処分することにした。夫の手のしわに染みついたあの匂いは、数日経っても消えなかった。
ちなみに、そんなうちのトネリコについては、こんなけったいなエピソードがある。
たしか2019年だったと思うけど、とある霊能者さんとお知り合いになって、その方は、我が家を知らないのに、二鉢のトネリコについて話してくれたことがあった。「ミケさんの家の前に、こんな樹があるのが、ぱっと目に浮かんだ」。
「どういう意味?」と聞くと「家を守っているってことかなぁ?ただミケさんを見て、真っ先に入ってきた映像だから意味があるはず。大事にしてあげてね」と。
今、思えば、トネリコからのレスキューだったのかもしれない。😭

そんな一鉢を処分してしまった。
しょうがなかったと思ってるけど、たぶん、心の奥の方が、自覚しているより衝撃を受けている気がする。
実は、数日前から右目に突如現れた黒い煙。こんなこと、生まれてはじめてなので、すわ網膜剥離かと疑い、眼科で検査してもらったら、大事ではなく、飛蚊症と呼ばれるものだった。
おそらく、インスタを見すぎていたことが直接の原因だと思ってはいる。ただ、私は内心、あのトネリコと婉曲にリンクしている気がしてしまっていた。罪悪感が、単にそう思わせているだけなのかもしれない。
腐るまで放置してしまってごめんね。あんなふうに処分してごめんね。
ちょいトリビア&後日談
世界を一本の樹木に喩えた世界樹神話は世界各地にあるけど、北欧神話が一番有名だと思う。根っこはニヴルヘイムと呼ばれる氷で覆われた氷の国。最下層で天地創造以前から存在していたとされる。
そこが腐っていたとは……トホホ。< そーゆー問題じゃない
時を同じくして、玄関前の排水管が老朽化によって穴が開いていたことがわかり、業者さんに来てもらって直していただいたところ。こういうことは不思議と重なる。