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父の寿命を縮めたわたし

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わたしがファザ子なことは、ある筋ではとみに有名なんだけど(笑)、たぶん父はそう長くない。
3年後の生存率が30%程度の不治の肺炎を患っている。
あんまり考えたくないことをいろいろと考える。
人間はだれもがいつか死ぬ。しょうがない。
幼少期から苦労続きだった父。平均寿命までは届かなくても、少しでも近いラインまで行ってくれたら感謝である。
     † 
 
中学生の頃、飲めない父が飲まされて酔っぱらいながら「オマエは嫁にはやらん」と言った。「うん、行かへんで」と言うと、「それは困る」と言う。どないやねん?!(笑)アホな父。
  
年頃になって、フィアンセを連れて帰ってきたあと、「素敵な人やろ?」と訊ねると、「いっぺん目では、わからへんわぃ」とプイと横を向いた。
頭にきたので「お父さんより好きになったんや!」なんてあくまでも残酷な娘。
結婚式の日。父は大泣きするかと思っていた。
お父さんは絶対に泣き崩れるに違いない、と母と言い合った。
しかし、その日、父は驚くほど冷静だった。
父の号泣を期待していたっちゅうのに(笑)、腹をくくった父は一滴の涙も見せてはくれなかった。
ウェディングドレスに包まれて浮かれきるわたしに、ひとこと言った。
「帰ってくるな」と。「何があっても帰ってくるな」
「帰るわけないやん!」
アホちゃうか…と思った。こんな幸せ手放すわけないやん…
幸せの絶頂だったわたしには、彼の心配など及びもつかなかった。
 
 
父の案じていた通りに、帰ってきてしまったわたしに、
「オマエのせいで、寿命が5年は縮んだ」となじった。
ごめん、おとうさん。
はじめて、心から父に謝った。
「ただの一回も、親の言うことを聞いたためしがない」とまで言われても、言い返せなかった。
(ほんまは、そんなことないでよ。すごく窮屈だったし、我慢して聞いてきたこともいっぱいあるよ。by.娘)
 
 
わたしは今でも、父の寿命を縮めているのは自分に違いない…という思いがぬぐえなくて、こんなどうしようもなくなった今になって、毎晩神さまに祈っている。
寿命を縮めた5年分(5年くらいやないかも…(^^;))、わたしの寿命をお父さんに分けてください。5年が無理なら、2年半でもいいから。もう××なことはしませんから。イイ子でいますから!(笑)
父からもらった愛情の100分の1も返していないわたしに、父は、その分はオマエの娘に返せと言うだろうな。まあ、そっちは、充分とはいえなくても自信あるけどね。

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